女性活躍推進、なぜ進まない?時代に合った組織開発とは

女性活躍推進が叫ばれるようになり時間が経過しているものの、思うように進まない現状があります。実際に「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」という政府目標も、「2020年代の可能な限り早期」に先送りとなりました。この要因の1つに、組織のあり方が関係しています。女性活躍を推進するために、いまどんな組織開発が必要なのでしょうか?
目次
食い違う、会社と働く女性たち
MaVieでは、女性だけでなく誰もが活躍できる社会を目指して、2018年から運営する会員制コミュニティ「Mrelations PLUS」ではワーキングマザーを中心にナレッジシェアや各種セミナーなどを行っています。
今まで300名以上の女性たちの声をお聞きしてきました。現場からのリアルな声を聞いていると、女性活躍が進まない課題は大きく3つあると考えます。
1つは、女性が働きやすい環境を整える制度を確立しきれていないこと。例えば、産休・育休取得後に、時短勤務で等級が下がったり、役職を外されたという話が依然として聞かれます。しかし実際には、子育てで時短勤務になっても業務量が変わらないどころか、終わらずに自宅に持ち帰って仕事をするという方も少なくありません。また短時間で効率よくアウトプットを出せる方もおり、「時間」で評価してしまうと、働きにくさを感じる女性が増えてしまいます。
コロナ禍でリモートワークの普及が進み、働き方は徐々に多様化してきています。しかしそれでもまだ、会社側がそれに対応した制度を確立できていない現状が多くあるでしょう。
もう1つは、定められた数値目標が「目的」になってしまうことです。本来、女性活躍とは女性一人ひとりが働きやすい環境をつくり、能力を発揮できるようにすることが目的のはず。しかしそれがいつの間にか、マネージャークラスや役員の比率など、ある一定の数字目標にすり替わってしまうのです。
ある企業の女性社長が、社外取締役を依頼され理由を聞いたところ「女性だから」と答えが返ってきたという話がありました。数合わせのために社外取締役に女性をおく、というようなことになりがちです。それでは本質的な改善になりません。
そして3つ目が、社員の声をヒアリングしていないということ。
ダイバーシティ推進の取り組みを支援するときに、必ず最初に聞くことがあります。それは「社員の声をどのようにヒアリングしていますか?」ということです。すると、ほとんどの企業様が他社の成功事例などを元に、見よう見まねで進めていたんです。実は良かれと思ってやっていたけれど、自社の社員の声を聞いていないので浸透していないケースもあります。
女性活躍推進の取り組みは、社内だけでは限界に
他社を参考に形だけの制度を作ったり、数字だけを追って目標達成できたりしても、本質的な女性活躍推進には繋がりません。さらには女性だけでなく、さまざまなレイヤーの社員の声を拾い上げながら、ニーズを汲み取り、現場に落とし込んでいく必要があるのです。
例えばこんなケースがあります。ある大手企業に勤める女性は、コロナ禍で在宅勤務に。そこでフレックス制度を使うことで、時短勤務からフルタイムに移行できると考え、上司に相談したそうです。
時短勤務の女性社員は「宅勤務になりフルタイムで働けるので切り替えたい。産前と同じように裁量のある仕事がしたい」と伝えました。一方で上司は、「子どもが小さいうちは時短勤務が一般的。業務内容は時短勤務に合わせて裁量が少ないものを用意しよう」と考えていたのです。
なかなか取り合ってもらえずに半年くらい交渉を続けて、ようやく希望が通ったそうです。これは上司も部下もお互いに「想像」で進めてるという、起こりやすいケース。このようなすれ違いは、事前に防げたはずです。子育て観や仕事観は人それぞれ違います。互いに配慮したつもりでいても、このような認識のすり合わせができていないことから行き違いが起きてしまうことがあるのです。
もう1つのケースをご紹介しましょう。世代間、性別間での価値観の乖離にも着目したいケースです。
これは40代の男性社員が、社内でダイバーシティ研修を進行する中で、女性軽視と捉えられる発言をして社内で炎上したケースです。言葉をひとつ一つとってみても、感じ方は異なります。女性と一括りにするのも要注意です。ひとりひとりバックグラウンドも価値観も違います。性別だけでなく、世代でも異なりますので最大限の配慮をしていかなければなりません。
このケースでは、MaVieでヒアリングを通して社内の課題や社員の思いを吸い上げ、改善施策へ落とし込んでいきました。自社で細部まで配慮しながらニーズを汲み取っていくのは至難の業です。
第三者の立場だからこそ、課題が明るみに
組織の内情は、企業によってさまざま。他社で成功している施策が、自社に当てはまるとは限りません。そのため、外部の成功事例を当てはめるだけでは上手くいかないのです。
他社に倣うのではなく、社員のニーズを汲み取りながら「自社ならでは」の施策を重ねていく。小手先の施策ではなく、専門家を正しく活用し中長期的に取り組むてことで、本来目指すべき女性活躍推進が可能になるでしょう。
そこでMaVieでは、第三者であるということを活かし、客観的視点をもちながら社員の皆さまにへヒアリングを実施。根底にある課題を引き出し、1つ1つ解決するための施策を立案していきます。組織に新たな視点を取り入れて、本質的な女性活躍推進をはじめませんか?