80年の歴史を紡ぐ広報の体制構築と担当者の育成、そして大型リブランディングを実現。広報活動のインハウス化を実現し、更なる価値創造を——三ッ輪ホールディングス


ガスや電気がまだ家庭に十分に普及していなかった1940年に、固形燃料の製造と販売を行う会社としてスタートした三ッ輪産業株式会社。2019年10月にはホールディングス化に移行し、今年で創業80周年を迎える。現在グループ会社全体で約600人の社員を抱える三ッ輪ホールディングスは、時代の移り変わりとともに扱う商材やサービスを変えながら、事業の拡大を進めてきた。

MaVieはホールディングス全体の広報部の立ち上げと担当者の育成、そしてブランディング支援を2019年から実施。これまで広報部門がなかった社内でどのように体制を構築し、広報やブランディングのサポートを進めたのか。三ッ輪ホールディングスの広報とMaVieの志賀が伴走した密度の濃い1年間について話を聞く。

課題:体制構築や育成が出来る専門人材がいない/リブランディングの各種戦略設計や体系化ができる人材がいない

施策:
課題の抽出・可視化/広報戦略設計/広報基盤の構築と体制づくり / 広報専門人材の育成 
リブランディング設計及びブランドステートメントの確立
リブランディングにおけるツール(CI・ロゴ・WEBサイト・パンフレット)のブランドマネジメント

結果:広報部門の立ち上げと時短社員の育成支援により、理想的な広報体制構築と業務のインハウス化を実現。80年の歴史をさらなる信頼につなげるためのリブランディングの軸となる企業イメージ・メッセージを確立。メディア露出も実現。

プロジェクトサマリー

加藤さん

三ッ輪ホールディングス株式会社社長室広報。アパレルや飲食業界で販促などの仕事を経験した後、2019年に三ッ輪産業に入社。2019年10月に設立された三ッ輪ホールディングス株式会社では、社長室で広報に任命され、広報部門の立ち上げに従事。現在は時短勤務とリモートワークを活用しながら、仕事と子育てを両立している。

志賀祥子(しがしょうこ)

株式会社MaVie(マヴィ)代表。東京都出身、1児の母。2009年に大手住宅メーカーにて社長秘書と広報を兼任。その後企業の広報責任者としてスタートアップから大手上場企業まで、数社の広報室立ち上げや再構築、ブランディングに従事する。7年間の企業広報経験を活かし、2015年に広報コンサルタントとして独立、2019年に起業。企業広報出身者ならではの再現性のあるインハウス化支援を得意とする。また1児の母である自身の経験・目線を生かした女性・ママ向けのPRやブランディング監修の実績多数。

ーー三ッ輪ホールディングスさんの事業内容を教えてください。

LPガスや電力事業のほか、インターネット回線の手配やリフォーム事業、災害対策やガソリンスタンド事業など、7社の事業会社を通じて暮らしに関わるサービスを幅広く展開しています。

弊社の母体となる三ッ輪産業は、電気やガスが家庭に十分に普及していなかった1940年に、固形燃料の製造と販売を行う会社として神奈川県に創業しました。時代の流れに合わせて取り扱う商材を変えながら、優れた商品やサービスを生み出すために、日々新しい挑戦に取り組んできました。

安定した事業基盤を築いてきたエネルギー業界ですが、昨今では新しい風も吹き始めています。2016年の電力小売の全面自由化、そして2017年の都市ガス小売の全面自由化などがその代表例です。弊社も電力や都市ガスのプラットフォームサービスを開始し、関東圏外でも事業活動を行っています。

ーーMaVieはホールディングス化を契機に、広報体制の構築や育成、またブランディング観点でも支援に入らせていただきました。加藤さんは三ッ輪ホールディングスにとって初めての広報として入社されたのですよね。

私が入社したのは2019年8月で、ホールディングス化に伴い会社のリブランディングがスタートするタイミングでした。広報部門の立ち上げから任せたいと言われた時は、果たして私で務まるのかどうか、不安を感じる部分もありました。しかし、外部のプロに並走してもらえると聞いて安心したことを覚えています。

弊社には長い間、広報の専門部署がありませんでした。というのは、エネルギー産業は長い間国による承認が必要な「規制産業」として位置付けられており、会社の見せ方や情報の発信を意識するシーンがほとんどなかったことが背景にあります。しかし今後、既存のエネルギー事業の枠を超えたサービスを展開し、新たな価値を創造し続けるためには、異業種との連携や多様な人材の採用が重要な鍵になると考えていました。

そこで、自社のブランディングやPR情報の発信に特化した部署として広報部門を新しく立ち上げて、リブランディングに向けて広報担当者を新たに採用する方針が固まったそうです。そして広報部の立ち上げと担当者の育成の支援を、プロの方に依頼する運びになり、MaVieさんへ依頼することになりました。

MaVieさんは大手ホールディングスグループやスタートアップなど幅広い企業規模での広報支援のほか、担当者育成にも長けておられ、すぐに広報部門の立ち上げと広報の育成を依頼したと聞いています。

入社後は志賀さんに代表の意向をヒアリングしていただき、形にするために二人三脚でサポートしていただきました。まずは目の前のタスクの洗い出しからスタートしました。私自身はこの規模のグループでの広報経験はなかったため、社内の課題を一つずつ整理しながら、メディアとのコンタクトやリレーションの構築なども長期的にサポートしていただきました。

またブランドメッセージやコーポレートアイデンティティー(CI)の統一、ホールディングスサイトや採用サイトのリニューアル、そして新会社のロゴデザインやパンフレット作成など、幅広くサポートいただきました。

ーー異業界での広報立ち上げに加え、入社直後にホールディングス化というビッグイベントがありましたよね。MaVieが入社から並走して、どのような点がよかったでしょうか?

私は子育てとの兼ね合いもあり、9時半〜16時の時短勤務で働いています。志賀さん自身も子育て中ということもあり、限られた時間内でそれぞれの仕事の優先度を見極めるプロセスも教えていただきました。これは今思い出してみても、重要なポイントだったと感じます。ビジネスチャットのslack(スラック)で情報をこまめに志賀さんと共有しながら、まさに同じチームのメンバーのように業務を進めていきました。ブランド設計から広報支援、ロゴ制作やブランドメッセージと一気通貫でサポートしていただいたため、様々な会社とやりとりしてコンセプトを伝える必要がなく、業務の効率化にもつながりました。

また私自身のタスクマネジメントもしていただき、社内外共に業務がスムーズに進行できたと思います。外部の方に広報育成に入っていただいたおかげで、社内でも必然的に情報交換の機会も増えました。そのため結果的に経営層との距離も近くなり、会社の全体の動きが見えやすくなりました。

ーー社内組織が大きいからこそ、様々な調整でご苦労された場面もありましたよね。

社外とのコミュニケーションはもちろん大切ですが、その一方で、社内の連携の重要性も改めて感じました。特にステークホルダーの数が多くなる案件では、自らしっかりとハンドリングして交渉を進めなければ、思いもよらない方向に流れてしまうケースも少なくありません。業務の目的とゴールを意識する必要性を、常に志賀さんに教えていただきました。

特に採用サイトのコンテンツ作りでは、経営陣やそれぞれの部署とのやりとりも頻繁に発生しました。各所への適切なタイミングでの報連相や、齟齬を防ぐための丁寧なコミュニケーションなど、当たり前のことを当たり前に続ける大切さを学べたように思います。

リニューアルした新しい採用サイト

ーー採用サイトのブランディングにあたっては、どのような点を重視されたのでしょうか?

エネルギー業界というと、どうしても安定した産業と捉えられやすい傾向にあります。ですが弊社としては、新しいサービスを皆さんの元にお届けするために、意欲的な方を積極的に採用したいと考えていました。自ら手を挙げる人には、チャンスが与えられる。そういったグループの特徴を伝えるために、社員へのインタビューなどを行いながら、コンテンツ作成を進めていきました。

実際に2019年に社内ベンチャーとして誕生した三ッ輪ビジネスソリューションズの代表者は、32歳で中途入社し、わずか3年で現在のポジションで活躍しています。また私のように、子育てと両立できるような柔軟な働き方を認めてもらえる素地もあります。こうした企業文化や働く社員の魅力を、採用サイトを通じて発信しています。

MaVieさんには採用サイト以外にも、ホールディングス本体や傘下の企業を含め5つのサイト制作におけるブランド設計やCI策定など、会社の根幹となる部分の設計から入っていただいたため、会社を熟知しているからこそ引き出せるポイントをふまえてサポートをしていただきました。

ーーありがとうございます。三ッ輪ホールディングスさんには長い歴史があり、歴史は信頼につながると感じました。そこで弊社としても、新しい価値創造に向けて一歩を踏み出せるようなサポートを意識していました。

私たちが創業時から一貫して目指してきたのは、エネルギー供給事業者としての役割を果たすだけではなく、地域の皆さまの暮らしを豊かにする企業でありたいということです。お客さまとの顔の見える関係性や、地域の事業者の方々とのパートナーシップを大切にし、新たな価値を生み出すための挑戦を続けていく。そのような「信頼」と「創造」を重んじる社風は、創業から80年を迎える今なお脈々と受け継がれているように感じています。

これからの時代のエネルギー事業者として、代表はもちろんのこと、私たち社員一人一人が「地域が直面する社会課題を解決するために何ができるか」と考える視点が不可欠だと考えています。

MaVieでは新たな会社ロゴやパンフレット制作なども手がけた。デザイナーは、吉澤麻衣。

ーー具体的に印象に残ったMaVieのサポートはございますか?

メディア向けの資料の作り方や、その資料を使ってどのようにメディアの方々に売り込むのかがとても勉強になりました。記者さんからさらに他の記者さんに繋いでいただく方法などを、間近で勉強できたのも印象に残っています。

志賀さんのサポートを得ながらですが、大手ニュース媒体やビジネス誌に掲載実績ができたのも自信につながりました。また、記者さんを招いての勉強会にも参加させていただけたことで、メディアのリアルな声を聞けた点も大変参考になりました。

――広報担当としての今後の目標を教えてください。

当たり前のことを地道に積み重ね、社内外から信頼を寄せてもらえる広報担当になりたいです。新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークの割合が増えている状況下でも、きちんと広報に情報が事前に集まってくるような仕組みづくりについても再考していきたいと思います。インプットした情報を媒体に合わせて最適な形でアウトプットできる力を身につけ、社内外に当社グループのサービスや魅力を発信していきたいです。

――最後に、三ッ輪ホールディングスの今後の展開についてお聞かせください。

エネルギー産業は、社会のインフラを担っているという安定感がある一方で、時代の流れに合わせて新たなチャレンジができる分野でもあります。こちらは代表の言葉になりますが、弊社が大切にしているのは「従来のエネルギー産業の枠にとらわれない発想で、新しい挑戦を続けていくこと」。エネルギー産業は人々の暮らしと密接に結びついているものなので、暮らしを豊かにするために私たちができることは、まだまだたくさんあると考えています。

■三ッ輪ホールディングス株式会社はこちら
■MaVieへのお仕事依頼はこちら