“産後のセカンドキャリア”をどう描く?MaVie salonが提案するパーソナルブランディング

産後のキャリアについて考えたことはありますか?結婚・妊娠・出産という幸せなライフイベントを迎えた女性が、本人の意思とは違い自分らしく生き生きと働きつづけるためにーー。2016年に女性活躍推進法が施行されて5年、様々な企業が女性活躍推進に取り組む一方、働くママたちの不安は「育児・家事・仕事の両立」が9割を占めます(※)。根本にはどんな原因があるのか、それを打破していくためには何が必要なのか?今回はMaVieで新しくスタートする「MaVie salon」に込める想いを、代表の志賀に聞いていきます。
目次
実体験のノウハウを詰め込んだ、パーソナルブランディングプログラム
ー今回、新しく始まる「MaVie salon」。どんな取り組みになりますか?
自分の強みや独自性を理解し、正しく伝えることができるスキルをつける「パーソナルブランディングプログラム」です。そうすることで、自分の人生・キャリアにおいても選択肢が増え、納得できる選択ができるようになると思います。
ブランディングというと、いわゆるSNSなどで自分をよく見せる技術など、表面的な見せ方をイメージされる方が多いかもしれません。
しかしMaVieが考えるブランディングは違います。表面的な見せかけを作っても中身が伴っていないとすぐに見透かされてしまいますから、信頼を得るためにも内面から考えていきます。簡単にいうと、自分の今までの経験から独自性・らしさを明確にしていき、正しく自分らしさを伝えていく技術を「パーソナルブランディング」と定義しています。
実はMaVieでは2020年の9月から2021年3月まで、フリーランスを目指す人や、フリーランス2-3年目までの方を対象に、ビジネス設計や戦略を学ぶ養成講座を開いていました。フリーランスになるのは簡単ですが、ビジネスを継続することは決して容易くありません。そこでビジネスのサポートができればと思っていました。
そのなかで感じたことがあります。それは「自分の強みが正しく伝わる自己紹介」が出来る人は数少ない、ということでした。
以下をご覧ください。

どちらの自己紹介がわかりやすいでしょうか?文字にすると、一目瞭然ですよね。Aさんの場合は、どんなパーソナルなのかが全く伝わりませんし、何を得意とするビジネスパーソンなのかが伝わりません。一方でBさんの場合は、ガラッと印象が変わり「何が得意な人」かが明確です。またリーダーとして会社から任されている信頼感も伝わります。
こうした少しの違いですが、この少しのことで将来の選択肢を大きく変える可能性だってあると思うんです。そこで私がこれまで企業や経営者のPRやブランディングをしてきた経験を、個人でも出来るようにカリキュラムの開発を始めることにしました。
ープログラムの内容を教えてください。
大前提ですが、このプログラムの対象者は、どんなライフステージにいる方でも参加が可能です。もちろん性別も年齢も問いません。就職活動をしている学生から、初めての転職を考え始めた20代半ばの方、また日々仕事が忙しくて時間がない30代40代のビジネスパーソン、また副業や独立を目指している方。どんな方でも参加していただけます。
プログラムは、現在2つ。1on1の個人講座と、少人数制のグループ講座をご用意しています。
共通することは、自分を理解して強み・らしさを見つけていくこと。そして、自分の望むキャリアデザインや納得できる選択肢を考えていきます。
社内で目指すポジションや希望の部署で業務ができるようにする社内プレゼン力や、転職活動での自己PR力、そしてフリーランスや副業での営業活動でのパーソナルブランディングにも活用いただけます。
そしてコラムのテーマである「産後のセカンドキャリア」に特化してお話をしていきますと、ワーキングマザーこそ「パーソナルブランディング」が必要だと思っています。それは時間が有限な中でも、自分の強みを正しく伝えられることでキャリアの選択肢や可能性が広がると思うから。
子育てをしていると毎日をこなすのに精一杯で、なかなか自分と向き合う時間が取れないと思います。だからこそ自分のことを後回しにせずに、ちゃんと向き合い、ママ自身の将来を考える時間を考える機会にしてほしいとも思います。
そして全ての講座において、「いかに効率よく学べるか」という観点を意識しました。全講座オンラインとなりますので、好きな時間に好きな場所で受講していただけます。どんなに忙しいビジネスパーソンでも、家庭に仕事に自分時間が確保しにくいワーキングマザーでも学んでいただけるように開発しました。
また座学中心ではなく、キャリアを棚卸ししたり、自分を深く知るためのワークを重ねながらご自身で強み・独自性を確認していくことも重要視しています。その過程から、今までのキャリアの蓄積や経験を可視化し紐解き、ブランディングのプロである視点で「パーソナルブランディング」を確立するサポートをしていくのです。
自身の蓄積・強みを再確認しながら、プロがパーソナルブランディングを引き出す
ー自分で今までの蓄積や強みを再確認していく過程というのは、具体的にどんなことなのでしょうか?
私はよくキャリアデザインの講座をする際に、「人間ドックのように『キャリアドック』を定期的に出来るようになりましょう」とお話しします。これは仕事だけでなくライフにおいても大切なことだと思っているんです。
よく「育児と仕事の両立をちゃんとしたいんです」というご相談をいただくことがあります。でもその「ちゃんとした」を言語化出来る人は、実は多くありません。育児と仕事の両立には、正解がないからこそ、誰かにとっての正解に当てはめる必要はない。他人と比較する必要はなくて。家庭の状況はみんな違う。育児と仕事のバランスも百人いたらみんな違って当たり前なんですよ。大事なのは自分がどうしたいか、です。
このプログラムを受けることで、長い人生において定期的に自身のキャリアの状態を自分で見直せるようになってほしいと思っています。
特に個人講座では、マンツーマンで3ヶ月寄り添います。ひとりでは気づけなかった自分の強みやらしさを引き出すだけでなく、そこから自分と向き合い、どうアクションをしていくかという部分までサポートをしていきます。きっと3ヶ月後には、自分らしさを引き出し確立していくための明確なアクションがわかっている状態になるでしょう。そして「セルフブランディング」のスキルを身につけて、より自分を正しく伝えることができるようになるはずです。
これまで300人以上のワーキングマザーと接してきて思うことは、長い人生を見据えた上で、「自分」がどうしたいかを軸に、今の環境で納得できる選択を考えていくことが大事だと思うんです。
このプログラムには、ブランディングの専門性はもちろん、このようにキャリアデザインのメソッドも盛り込んでいます。私自身、もともとキャリア思考ではない学生時代から社会に出て、試行錯誤しながらこれまで歩んできたキャリアデザインの原体験をカリキュラムにも落とし込んでいるんです。
いわゆる高学歴・キラキラな経歴ではない私でも、定期的に自分自身のキャリアと向き合いながらこうして歩んでいます。だからこそ、等身大のナレッジやノウハウを伝えたいと思っています。
子育ても仕事も、納得した選択をするために

ー先ほど、「納得できる選択肢を選ぶことが大事」というお話がありました。自分の選択に納得できない背景には、どんな課題があるのでしょうか。
どんな仕事をどんな立場・ポジションで何をやりたいのかという「仕事軸」と、時短で働きたい、通勤時間を少なくしたい、フレックスタイム制にしたいなどの「環境軸」、この両軸でバランスを考えながら所属する会社や仕事の内容を選んでいると思うんです。でも、ママになった瞬間、多くの人が物理的な「環境軸」を優先してしまう傾向にあると思います。これは誰しもが考えることだと思います。
また最近では、環境に合わせて時給ではなくアウトプットで稼げるスキルを身につけようとする方も増えていますよね。育休中に資格取得を目指す講座や、短期のプログラミングレッスンなんかもよく見かけるようになりました。しかしアウトプットで仕事をすることは、そう容易くありません。
こうした新たな資格を習得することは良いことです。ただ、出来ればその前に、まず一度自分と向き合ってほしいんです。目先のことに焦って資格を取得しても、それがこれからの自分の仕事や人生にどう繋がっていくかがイメージできていない人が実は多いんです。資格を取得したからと、そう簡単に思うような仕事につけたり、理想の働き方はできません。
たとえば、「今は子どもが小さいから、子育てに比重をおきたい」と自ら時短で裁量の少ない仕事を選ぶ場合。これは、ご自身で納得して環境を重視した選択肢を選んでいますよね。これがただ、なんとなく、仕方なくとネガティブな気持ちで選んでしまうと、自分が苦しくなってしまいませんか。
今まで仕事をしてきたキャリアの蓄積が誰にでもあるはず。それを改めて見直し、自分は何が得意でどんな人間かを自分で理解し、正しく伝えられれば、仕事軸を捨てずに働き方も選択肢が広がると思うんです。そこに必要な資格やスキルがあれば、新たに習得をしていくことで今での経験を生かしてステップアップできます。そのためにも自分の強みを自分で理解し、自分の言葉で伝えられるスキルが必要です。
“産後のセカンドキャリア”を築く
ー産後のキャリアを諦めるのではなく、自分の強みを明確にして、納得するキャリアを歩めるようにするためのプログラム
そうですね。女性にとってのセカンドキャリアとは、産後から始まると思うんです。これは、従来のワーママのイメージにある「キャリアを制限される・諦めなければいけない」といったネガティブな意味ではないんです。
私の考える「産後のセカンドキャリア」は、子育てをしながら、これまでの人生やキャリアの蓄積の上で新たなステージで仕事をすること。今の環境の中で、子育てと仕事の両輪を回していくためのベストを見つけること。ポジティブな意味合いとして捉えています。
子育てが大変な時期は振り返ると一瞬といいますよね。成長するにつれて、子どもにも外にコミュニティができます。でも、親である「私」の人生は100年。もう一度仕事をしようと思った時にキャリアを築ける基盤を作っておくためには、産後をきっかけに今までのキャリアを止めてしまうこと、諦めることは勿体無いと思うんです。自分が納得できる仕事や環境を選ぶためには、まずは自分と向き合って、産後のセカンドキャリアを描いていただきたいなと思います。
ー産後のセカンドキャリアを描ける女性が増えることで、活躍する女性も増えていきそうです。
そう思います。女性活躍の定義はなにか、諸説あるかと思いますが、個人的には活躍=役職ではないと思っていて。「女性の活躍が特別ではない状態になること。当たり前になること」が、真の女性活躍だと考えています。
いろんな環境や要因で仕事をやめることも、セーブする期間もあっていいと思います。それらを自分で納得して選ぶことが大事。しつこいですが、ここなんです。ただ、外的要因でなにかしらを諦めてしまう人たちを救えるサポートは必要だと思うんです。誰もが諦めずに、やりがいを持って働けるために、前述した私の考える女性活躍を実現していきたいと考えています。
単にママを雇用すること、制度を作ることで実現するような一辺倒なものではないんです。わかりやすいのでこの言葉を使うことも多いのですが、実はずっと違和感があって。だって、男性活躍って言わないじゃないですか(笑)。
だけど、まだこの言葉が必要だと思うこともあります。それは企業側に強く意識をしてもらうため、危機感をもってもらうために必要だと思います。まだまだこの言葉が日本では使われるのだと思います。「女性活躍」という言葉がなくなったときには、真の女性活躍が実現できる社会になっているのでしょう。