広報のプレゼンスキルで最も大切なのは、笑顔、滑舌、美声ではなく”聞き手ファースト”
先日はじめてMaVie主催のPRセミナーを開催しました。
スタートアップ・ベンチャー企業の広報担当者、フリーランス広報の方にご参加いただいた第1回目のPRセミナーのテーマはこちら。
目次
【PR Seminar#001】
元NHKアナウンサー・松本和也氏に学ぶ・プレゼンスキル強化セミナー
広報スキルで欠かせないのが、「プレゼンテーションスキル」。特にスタートアップ・ベンチャー企業の広報担当者は、大手企業と違い、社名もサービス名もほぼ認知されていないところから記者へアプローチ・興味喚起して取材獲得へつなげられる力が必要です。
そこで、今回は元NHKアナウンサーの松本和也さんを講師にお招きし、広報担当者に必須のプレゼンスキル強化のためのノウハウを伝授いただきました。

松本和也(まつもと・かずや)様
株式会社マツモトメソッド 代表取締役
音声表現コンサルタント/ナレーター
1967年兵庫県神戸市生まれ。私立灘高校、京都大学経済学部を卒業後、1991年NHKにアナウンサーとして入局。奈良・福井の各放送局を経て、1999年から2012年まで東京アナウンス室勤務。2016年6月退職。7月から「株式会社マツモトメソッド」代表取締役。経営者向けにメディアトレーニングなども。株式会社 青二プロダクション所属
NHK時代のご活躍は言うまでもないのですが、どれも皆さんご存知の番組を担当されていらっしゃいました。
<NHK時代のご経歴>
アナウンサー時代の主な担当番組は「英語でしゃべらナイト」司会(2001~2007)、「NHK紅白歌合戦」総合司会(2007、2008)、「NHKのど自慢」司会(2010~2011)、「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」「NHKスペシャル(多数)」「大河ドラマ『北条時宗』・木曜時代劇『陽炎の辻1/2/3』」等のナレーター、「シドニーパラリンピック開閉会式」実況に加え、報道番組のキャスターなどアナウンサーとしてあらゆるジャンルの仕事を経験。
現在はメガバンクや大手企業の経営者向けに「マツモトメソッド」を伝授し、プレゼンテーションのコンサルティング・指導を行ってらっしゃいます。松本さんいわく、広報のプレゼンスキルで最も大切なのは、一度聞いただけで理解してもらえること。
笑顔、滑舌、美声は感じがよくなるだけに過ぎず、本質的なスキルアップにはつながらない。伝わるためのノウハウである、話し方の構成、文章、効果的なスライド、イントネーションや声のトーンなど。誰もが聴きやすい話し方を、たっぷりと教えていただきました。
今回は松本さんのご好意で、セミナーの内容を少しだけご紹介できることになりましたよー!ではさっそく本題へ。
プレゼンで大事な4つのこと
- 重要なことから
- 短く
- ゆっくり
- はっきり
まず冒頭で紹介いただいたのが、プレゼンをする上で大事な4つのポイント。「これだけ?」と思われるかもしれませんが、意外と見落としがちなこの4つがとっても重要。参加者全員、ここから巧みなマツモトメソッドに引き込まれていきました。
声や滑舌に悩む人も多いかと思いますが、マツモトメソッドさえ習得できれば、相手が聞き取れさえすれば、声や滑舌は関係ないそうです。
伝わる話し方の基本は、聞き手ファースト
広報でも社長でも、聞き手に負担をかけないこと、一度聞いただけでわかることが大事。どこまでも聞き手ファーストで話すことを意識しましょう。

上記のスライドにある通り、聞き手の頭の中(プランター)があふれないように、少しずつ情報(水)を注いでいく。ここを意識しましょう。
聞き手の一番の負担は、長い!つまらない!わからない!
松本さんが経営者に対してトレーニングをするときには、まずプレゼン原稿の内容を修正することから始めるそうです。話す項目、構成順、文章の長さ、分かりやすさ、などを徹底的にチェックするとのこと。
伝わる話し方の3要素は、文章・音声・中身
言いたいことだけを言うのではなく、人がそれを聞いて、どれだけ消化できるかを前提に、この3つの要素を考えるのです。
ではどのようにすればいいのか。印象づける構成を、簡単に紹介します。
伝えたいことは、できるかぎりシンプルに!
たとえば、以下どちらのほうが聞いていてストレスがないでしょうか?
A :「今日スーパーで人参が安くて、家にジャガイモも残ってたから●☓●☓…今夜の献立はカレーにしたの」
B :「今日の夕飯はカレーにしたの!なぜなら●☓●☓…」
人間心理として、Aのように理由から話したくなるもの。
でも聞いてる人は結論から聞きたいんです。そのため聞いてる人の心理を考えて、Bのように結論から先にすることが大事。
まず(結論、要点、概略)⇒あとで(根拠や詳細)
プレゼンテーションでも上記のように、まずはじめに「今日はこんな話をします!」とざっくり説明したうえで、順にしっかりと説明すること。
インパクトを残す
印象づけるプレゼンで重要なことは、「意外な言葉・内容でびっくりさせて、謎解きすることですっきり解決する」ことだそうです。
すごい!(感動)
なるほど!(納得)
もっと聞きたい!(魅了)
「伝わるプレゼンテーションは、勇気をもって黙ることなんです」と聞いたら、「プレゼンは話してなんぼでしょ?うそ?!どういうこと?」となりますよね。
セミナーでは、ここでは紹介しきれないほど、すぐに実践できるメソッド・テクニックをたっぷり教えていただきました。
最後に、参加者からの質疑応答を特別にご紹介。
Q:早口にならないようにするには?
・文を短くし、重要なことから言うこと
・ 息を吸う
・ 相手が相槌をうつのを待つ。「ここまでよろしいですか?」
5秒以上しゃべり続けると、相手の頭がオーバーフロウしてしまう
Q:自分で出来る練習方法は?
・録画・録音する
喧嘩にならない程度に、毒舌な友人にフィードバックしてもらう
・シャドーイング
好きな有名人・著名人の話し方を真似る
Q:沈黙が怖い
サービス精神旺盛は人ほど沈黙が怖い。言いたいことを言ったら、もう黙っていい意味でちょいS気味で喋る。
Q:この方は上手い!という有名人は?
池上彰さん
必ず略語は、IS(イスラミックステート)と言い直したり、子どもからお年寄りまで誰が聞いてもわかるように伝えるのがとても上手
すべらない話
いろんな芸人さんが短い文章で伝えようと努力している番組。伝え方としてとても参考になる
弊社では、今後もママ広報の方も参加しやすい日中の時間帯に、PRセミナーを開催していく予定です。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。